亀とすっぽんの違い
食用にされることはほとんどない亀と、主に食用として養殖もされているすっぽんには、どんな違いがあるのでしょうか。
分類上は別種であり、身体の構造だけでなく生態にも大きな違いがあります。
見た目も私たちがよく見る亀とはかなり違います。
すっぽんとは爬虫鋼カメ目スッポン科キョクトウスッポン属に属する生き物で、普段私たちが見る亀はカメ目の別の科に属する種類です。
この学名による分類は、上の方にさかのぼるにしたがって関係が遠くなるので亀とすっぽんはかなり遠い種類です。
たとえば、私たちの良く知る犬は哺乳鋼ネコ目イヌ科に属していて、ネコは哺乳鋼ネコ目ネコ科なので、関係上はこのくらい離れているのです。
亀といえばとても硬い甲羅が特徴ですね。
この甲羅は骨が変形してできたもので、最近の研究でアルマジロなどの他の硬い皮膚を持った生物とは違い、皮膚ではなく全て肋骨の変化した骨であると分かったそうです。
そのため、亀は甲羅を維持するためにたくさんのカルシウムを必要とします。
亀が甲羅干しをするのは、カルシウムを生成するためです。
甲羅が鎧になるのと重いせいで、とても足が遅いです。
一方すっぽんの甲羅は、皮膚が変形してできたものです。
亀の甲羅にあるような亀甲模様はなく、なめらかで触ると柔らかいのが特徴です。
だから、鍋にすると甲羅まで食べることができるんですね。
特に甲羅の縁の部分であるエンペラはコラーゲンが豊富で、触るとプルプルするほどです。
首がかなり長く、噛みつく力がかなり強いので、触る時には注意が必要です。
一度噛みついたら離さないと言われていますが、これはすっぽんがかなり臆病だからです。
亀のように硬い甲羅がないので、一生懸命逃げようとします。
甲羅がない分身体が軽いので、逃げ足は驚くほど速く、泳ぎも得意です。
甲羅干しする必要がほとんどないので、産卵時以外のほとんどの時間を水中で過ごし、長い首をシュノーケルのように水面に出して呼吸することもあります。
亀の仲間の特徴である硬い甲羅を捨てたすっぽんは、水の中をスイスイ泳いだりすごいスピードで走って水に飛び込んだりと、亀とは違う動きを見せてくれます。
骨で甲羅を作らなかったことで、すっぽんはコラーゲンが豊富で丸ごと食べることのできる、現在の姿に進化したのです。
すっぽんとしては複雑かもしれませんね。